合宿免許を確かめる

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合宿の最短日数は法令で決まる

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合宿免許の紹介ページを何社か見ると、最短日数がどこも似た数字になっています。これは各社が同じくらい効率的だからではありません。日数の下限を法令が決めているためです。

このページは、その仕組みを条文から確認します。逆に言えば、ここから下の日数を掲げる案内があれば、その時点で疑うべきだということです。

1日に受けられる技能教習には上限がある

まず、技能教習は1日に何時間でも詰め込めるものではありません。

教習を受ける者一人に対する一日の教習時間は、大型第二種免許、中型第二種免許又は普通第二種免許に係る教習を受ける者であつて当該教習に用いられる自動車を運転することができる第一種免許を現に受けているものに対する教習にあつては四時限を、その他の者に対する教習にあつては三時限(基本操作及び基本走行にあつては、二時限)を超えないこと(第一種免許に係る教習を受ける者に対して一日に三時限の教習を行う場合は、連続して三時限の教習を行わないこと。ただし、複数教習又は運転シミュレーターによる教習を二時限行う場合には、この限りでない。)。

普通免許をこれから取る人は「その他の者」にあたります。読み解くと、こうなります。

  • 1日に受けられる技能教習は3時限まで
  • ただし「基本操作及び基本走行」については2時限まで
  • 3時限受ける日は、連続して3時限行わない

必要な時限数が決まっていて、1日に受けられる数に上限があるので、割り算の答えより短くはできません。これが下限の正体です。

よく書かれている「1時限の休憩」は条文に無い

補足として、この条文はしばしば言い換えられて紹介されます。「1日3時限のときは、間に1時限の休憩を挟まなければならない」という説明を見かけますが、条文にそうは書かれていません。

書かれているのは「連続して三時限の教習を行わないこと」で、挟むべき時間の長さは指定されていません。「一時限に相当する時間以上の休息時間」という表現が条文に出てくるのは、二種免許で1日に4時限行う場合のほうです。

実際の教習所は間隔を空けて組むので、結果としてそう見えることはあります。ただ、それは運用であって法令の要求ではありません。条文を根拠として説明されたときは、原文を確かめてください。

段階の切り替えは「翌日以後」

もう1つ、日数を押し上げる規定があります。

基本操作及び基本走行の最後の教習時限においてその教習効果の確認を行い、その成績が良好な者についてのみ応用走行を行うこと。

この続きに、普通免許などの応用走行は「当該確認を行つた日の翌日以後の日に行うこと」と定められています。

つまり、基本操作及び基本走行を終えた日に応用走行へ進むことはできません。どれだけ順調でも、切り替えで最低1日は日付が変わります。

学科にも条件があり、応用走行は学科(一)を修了した者についてのみ行うと定められています。技能だけ先に進めることもできません。

だから何が変わるのか

ここまでを合わせると、合宿の日程はこうなります。

  1. 基本操作及び基本走行は1日2時限までなので、必要時限数を2で割った日数が要る
  2. 修了検定と仮免学科試験を挟む
  3. 応用走行は翌日以後にしか始められない
  4. 応用走行は1日3時限まで
  5. 卒業検定を挟む

合宿が短いのは、教習の中身を削っているからではありません。上限いっぱいまで毎日詰めて、待ち時間を作らないからです。通学だと予約が取れずに間隔が空くところを、宿泊させて連続で組んでいます。

逆に言うと、この日数は一度も検定に落ちない前提の数字です。検定に落ちた場合にどうなるかは条文に規定があり、延泊と再検定はどこまで保証されるかにまとめました。

「第一段階」「第二段階」は法令の言葉ではない

ここまで条文の言葉をそのまま使ってきました。読みにくいのですが、理由があります。

施行規則には「第一段階」「第二段階」という語が一度も出てきません。条文が使うのは「基本操作及び基本走行」と「応用走行」です。段階という呼び方は教習所の側の言い方で、法令用語ではありません。

普段はそれで困りません。ただ、条文を根拠に説明するときは話が別です。「第一段階は1日2時限まで」と書くと、法令がそう定めているように読めますが、条文が2時限と定めているのは基本操作及び基本走行についてです。両者が完全に同じ範囲を指すことは、条文からは確かめられません。

当サイトが条文の言葉のまま書いているのは、この一致を前提にしないためです。教習所で「第一段階」と言われたときは、基本操作及び基本走行のことだと考えて差し支えありませんが、根拠として条文を引くときは言い換えないでください。

上限があるのは「教習を受ける者一人」について

条文をもう一度見ると、上限は「教習を受ける者一人に対する一日の教習時間」にかかっています。教習所が1日に何時間営業するかの制限ではありません。

だから、教習所側は朝から夜まで開けていても、一人の教習生が受けられる技能教習の数は変わりません。「夜間も教習をやっている教習所なら早く終わる」とはならないということです。

夜間の枠が効くのは通学のほうです。日中に通えない人が予約を取りやすくなり、間隔が空きにくくなります。合宿ではもともと枠が確保されているので、営業時間の長さは日数に影響しません。

学科教習には同じ上限が見当たらない

条文が1日あたりの上限を定めているのは技能教習です。学科教習について同じ形の上限規定は見当たりません。

合宿の日程で朝から晩まで学科が詰まっているのは、そのためです。技能の枠は法令で頭打ちになっているので、空いた時間に学科を寄せて全体の日数を縮めています。

裏を返すと、合宿の1日は技能2〜3時限に加えて学科が何コマも入ります。「1日2時限しか乗らないなら楽そうだ」という読み方は当たりません。

車種によって数字が変わる

ここまでは普通免許(第一種)の話です。条文は車種と、すでに持っている免許で場合分けしているので、数字はそのまま流用できません。

  • 二種免許で、その車を運転できる一種免許を持っている場合は1日4時限まで
  • その場合、4時限行う日は1時限以上の休息時間を置く
  • 二輪の教習には運転シミュレーターの時限数に別の定めがある

「合宿は最短◯日」という数字を車種をまたいで比べても意味がありません。自分が取る免許の欄を見る必要があります。

検定日が日数に入っているか

案内の日数には、検定を受ける日が含まれている場合と、卒業した日を含めずに「教習◯日」と書いている場合があります。

さらに、修了検定と仮免学科試験は同じ日に行われるとは限りません。仮免の学科試験を翌日に回す教習所もあり、そのぶん1日増えます。

日数を比べるなら、入校日と卒業日を聞くのが確実です。「最短◯日」は数え方の異なるものが並んでいることがあります。

案内を読むときの目安

「最短◯日」という表示を見たときに確認したいのは、次の2点です。

  • その日数に検定日が含まれているか
  • 落ちた場合の延泊がどう扱われるか

最短日数そのものを比べても差はほとんど出ません。法令が下限を決めているためです。差が出るのは、うまくいかなかったときの扱いのほうです。

出典